今週の風の詩
第3985号 誕生日プレゼント(2025.6.29)
誕生日プレゼント
サクランボ(ペンネーム)
夫に介護が必要になって、食事の支度を一部近所のご飯屋さんにお願いすることになりました。
時間になったら、散歩のリハビリがてら夫婦で公園を抜けたところにあるご飯屋さんにご飯を受け取りに行くのです。
店主のAさんは料理が大好きな明るい人。
自分の家族に食べてもらうのと、同じ感覚で作っているそうです。
「家族に出せないものはお客様にも出せません」といつも温和なAさんにしては
珍しくきっぱりと厳しい表情で言い切ってました。
だしはもちろん、昆布、かつお、にぼしでで朝の5時からとり、地場の新鮮な野菜や、良質なお肉やお魚を使っているそうで、採算を度外視した、旬の本当に美味しい物を作ってくれます。
春菊と茎わかめの胡麻和え蒸し鶏とヒジキと紫玉ねぎのサラダ、柴漬けの入った特製タルタル(マヨネーズも自分で作成!)がかかった鳥南蛮などなと・・どれも細やかで丁寧な、それでいてどこか懐かしい家庭の味です。毎回、感謝して「美味しい、美味しい」と夫婦2人で頂いてます。
そんなある日、夫の誕生日が近づきました。
たまには贅沢に外食でも・・・と思いましたが、夫が「Aさんの料理がいい」との事で、誕生日も料理をお願いしました。
前もってAさんに「明日は夫が誕生日なんですよ」と伝えておきました。
当日、食事をとりに行くとKさんが
「お誕生日おめでとうございます。あの・・・これ・・・以前お好きだと言ってたので・・・」控えめにちんまりと小さなパックに入っていたのは夫が好きな、長いもを刻んだものでした。
しかも、誕生日と聞いたので、「特別にみょうがとしそも一緒に刻みました」・・・忙しいのに、ぬるぬるした長いもを数少ないまな板で一生懸命刻んでくれたなんて・・・
Aさんが以前ポロリとこぼしましたが、全くお金に縁がないそうです。
お料理は好きだけど、採算度外視と物価高で経営はいつも厳しいそうです。
そんな中、誕生日プレゼントに出来る限りの事で、一生懸命長いもを刻んでくれたのでしょう。
目の奥がツーンとしました。
今迄で一番うれしい誕生日プレゼントでした。
時間になったら、散歩のリハビリがてら夫婦で公園を抜けたところにあるご飯屋さんにご飯を受け取りに行くのです。
店主のAさんは料理が大好きな明るい人。
自分の家族に食べてもらうのと、同じ感覚で作っているそうです。
「家族に出せないものはお客様にも出せません」といつも温和なAさんにしては
珍しくきっぱりと厳しい表情で言い切ってました。
だしはもちろん、昆布、かつお、にぼしでで朝の5時からとり、地場の新鮮な野菜や、良質なお肉やお魚を使っているそうで、採算を度外視した、旬の本当に美味しい物を作ってくれます。
春菊と茎わかめの胡麻和え蒸し鶏とヒジキと紫玉ねぎのサラダ、柴漬けの入った特製タルタル(マヨネーズも自分で作成!)がかかった鳥南蛮などなと・・どれも細やかで丁寧な、それでいてどこか懐かしい家庭の味です。毎回、感謝して「美味しい、美味しい」と夫婦2人で頂いてます。
そんなある日、夫の誕生日が近づきました。
たまには贅沢に外食でも・・・と思いましたが、夫が「Aさんの料理がいい」との事で、誕生日も料理をお願いしました。
前もってAさんに「明日は夫が誕生日なんですよ」と伝えておきました。
当日、食事をとりに行くとKさんが
「お誕生日おめでとうございます。あの・・・これ・・・以前お好きだと言ってたので・・・」控えめにちんまりと小さなパックに入っていたのは夫が好きな、長いもを刻んだものでした。
しかも、誕生日と聞いたので、「特別にみょうがとしそも一緒に刻みました」・・・忙しいのに、ぬるぬるした長いもを数少ないまな板で一生懸命刻んでくれたなんて・・・
Aさんが以前ポロリとこぼしましたが、全くお金に縁がないそうです。
お料理は好きだけど、採算度外視と物価高で経営はいつも厳しいそうです。
そんな中、誕生日プレゼントに出来る限りの事で、一生懸命長いもを刻んでくれたのでしょう。
目の奥がツーンとしました。
今迄で一番うれしい誕生日プレゼントでした。