今週の風の詩
第3947号 ひっそり(2024.10.6)
第3946号 赤いホーロー鍋(2024.9.29)
第3945号 小さなもの(2024.9.22)
小さなもので溢れてる。
いつも、この世界は
小さなものが支えてる。
言われただけで、嬉しくなった。
それは 風に舞うくらい
小さなこと。
忘れ去られるほど
小さすぎる。
だけど、大きな世界で
小さなものがなくなれば
きっとこの世界の
灯りが消えてしまう。
迷子のハンカチ拾ってあげたら
「ありがとう」って、微笑まれた。
それは 人に話したら
笑われそうなこと。
しばらくたったら
忘れそうなこと。
いつも、大きな世界を
小さな灯りがともしてる。
今日も、大きな世界は
小さな愛で溢れてる。
いつも、この世界は
小さな愛がつくってる。
第3944号 ピーラーとマッシャー(2024.9.15)
第3943号 糸絵の具の楽しみ(2024.9.8)
第3942号 結婚式(2024.9.1)
第3941号 日本製の向こう側(2024.8.25)
第3940号 今どきの3歳児(2024.8.18)
お正月、ゴールデンウイーク、お盆の年3回我が家に遊びに来てくれます。
来るたびに目を見張る成長が見られ、驚かされることがしばしばです。
特に言葉を覚えておしゃべりが盛んになってきた3歳の男の子は面白いです。
先日も、お礼のありがとうを言わせると、「ありがとう」といった後、
「おばあちゃん、どういたしましては?」と催促されてしまいました。
生まれた時からスマートホン、パソコン、人工知能の数々に囲まれていて、
ある時、「おばあちゃん、リンゴは英語でなんて言うの?」と聞かれ、得意げに
「リンゴはアップルだよ」と答えました。
すると今度は、「スイカは英語でなんて言うの?」と聞かれました。
スッと出てこず「えーと」と考えながら返事に困っていると、「おばあちゃん、
そして、私のスマホをもって「ヘイシリ!スイカは英語でなんて言うの?」と
尋ねていました。
今どきの3歳児のこの行動に、感心するやらあっけにとられるやらで、思わず笑ってしまいました。
第3939号 「海の幸」と「土と幸」(2024.8.11)
母が元気だった頃の話。母には、5人の子供と14人の孫がいた。そんな母を囲んで、沼津の実家には、毎年夏と冬に集まるのが習慣になっていた。用事で参加できない者を除いても、いつも15〜6人は集まった。そしてテーブルには海の幸が並んだ。その中心にあるのは、カニだった。カニは冬のイメージが強いが、夏にも食べられる。毛ガニ、花咲ガニ、ワタリガニ、そしてカナダ産のズワイガニなど。この日のために、沼津の市場から仕入れてくるのだ。実家は干物屋をやっていたので、比較的安く仕入れることができたのだ。
嵐のように現れて、嵐のように去って行く。後に残るのは、いつも山のようなカニの殻だった。そんな台風家族たちが、台風の目に入ったように、静かになる一瞬がある。カニを食べ始める瞬間だ。男3人兄弟は、しゃべるのを一切やめて、黙々と食べる。半年分のカニを、競うように食べる。食べ続ける。「ああ、食った、食った!」とお腹をたたく末の弟には、いつもスピードと量で負けていた。そんな男どものカニ食い競争を、やや冷たい目でみる妻と子供たち。でも母は、顔をカニのように赤くして、しわくちゃにして、いつも大笑いしていたな・・・。
月日が大きく流れて、我が家の3人のムスメも大人になった。上の二人は結婚して、家族を連れて、夏と冬に集まるようになった。私たち二人暮らしには、7〜8人は台風襲来だ。思い出の沼津に較べたら人数的には小型の台風だけど、ハリケーンのように元気な男の子もいる。トルネードのように躍る女の子もいる。そしてテーブルの中心に並ぶのは、妻が畑で育てた自前の野菜料理だ。農婦歴30年、100坪の畑で収穫できるのは、なす、トマト、キュウリ、ズッキーニ、ピーマン、カボチャ、トウモロコシ等々。黄色いスイカはデザートだ。
沼津が「海の幸」なら、佐倉の実家は「土の幸」だぞ。みんなよく食べる。食べてくれる。お土産は、もちろん野菜だ。「ごちそうさま〜」といって元気に帰って行く夏は、ごちそうサマ〜!と聞こえる。特に今年の夏は、3番目の娘がカレシを連れてくる予定だ。ちょっとまた大型になる。夏が待ち遠しいな。こんな夏の台風なら、大歓迎だ。
第3938号 「紺色とピンク」(2024.8.4)