今週の風の詩
第3941号 日本製の向こう側(2024.8.25)
日本製の向こう側
酒井孝明
普段より少し良いTシャツを買った。そのTシャツは高いだけあって生地がサラサラしていて気持ちが良く、汗も吸ってすぐ乾く。いつもなら、着た後は洗濯機に丸めて入れるだけなのだが、このTシャツの時は違う。ちゃんと洗濯ネットに入れて洗濯をする。洗濯が終わり、干す時には太陽で色が焼けないように、ひっくり返してハンガーにかける。そのひっくり返した時にふと気になった。白いペラペラしている洗濯表示が脇についている。見てみたがよくわからないマークが並んでいて、その下に『日本製』と書いてあった。食べ物で気にしたことはあるが、服がどこで作られているかを考えたことはなかった。日本製と言われるといい作りなのだろうかとありがたい気持ちになる。晴れた空に洗濯物を干しながら思う。日本製ということは、言い変えれば、日本で作っている人がいるということ、そこには会社があり雇用がある。
ふと、日本製という言葉の向こう側にある深い意味を感じた。