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今週の風の詩

第3990号 季節のはがき(2025.8.3)

季節のはがき
わたぼうし(ペンネーム)

10代の頃は、〈暑中お見舞い〉のはがきを出す理由がわからなかった。熱中症という言葉もなかったし、梅雨明けが待ち遠しくて、夏休みは旅行やアルバイトに精を出していた。そして何よりも皆、友達は元気だった。

ところが最近は、郵便受けに〈暑中お見舞い〉のはがきが届いていると、楚々とした佇まいに嬉しくなる。学生時代と変わらない手書きの文字は、デジタルにはない温かみがあり、ほっとする。
今、携帯電話で瞬時に相手と繋がることが、当たり前の便利な時代となった。
しかし、はがきは目に優しくて、LINEの既読スルーのように気を揉むこともなく、長々と続く電話やLINEのように時間を削がれることもない。

はがきは相手に届くまで3~4日かかることもある。桜、紫陽花、海、紅葉など季節の絵柄のはがきや切手を選び、紙質に合わせて筆記用具を選ぶ。
限られたスペースに相手を想いながら言葉を紡ぎ、誤字脱字のないように丁寧に文字を書く。(時には失敗をして、はがきを無駄にしてしまうこともある。)
そして、最寄りのポストに投函する。今どき、ここまで手間暇のかかる作業をしてくれる友達に有難い気持ちでいっぱいになる。

しかし、たった1枚のはがきは軽量で風通しの良いものだ。
紙飛行機がふわりと舞い降りてきたような心地良さがある。
紙の手触りの楽しみと、お互いに想う癒しの時間を運んでくれる。
これからも元気で繋がっていけるように、友達の顔を思い浮かべながら、また新しい季節のはがきを買いに出かけたくなった。

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