今週の風の詩
第3998号 深沢不動(2025.9.28)
深沢不動
用賀一丁目の住人(ペンネーム)
9月頃だったろうか
激しい雨が降る夕方、脳外科の検診を終え、三宿から用賀まで帰るのに、どうやら乗るバスをまちがえてしまったようだ。
玉川通り(246号線)は全て用賀一丁目を通り二子玉川までと、思い込み乗ってしまった。
深沢不動に近づくにつれ、窓にあたる雨は激しい。
運転手さんに聞いても、私のきき方が悪いのか、理解出来ない返答、いらいらしていらっしゃる、大切な命を預かっているので仕方ない
とんでもない所に行ってしまうのでは?ないかと、不安になってきた。
突然うしろから高校生か、大学生らしき品の良い男の子が声を掛けて下さった。(次の駅で降りて下さい。僕も同じ方向なので一緒に付いて来て下さい。)とおっしゃっる。どしゃ降りの中、(ここで待っていて下さい、用賀行きが来ます、僕の家はこちらなので)と、角を曲って帰えられた。東京にもこんなに優しい男の子がいらっしゃるのかと、嬉しい気持ちと、感謝と
そしてほのぼのとした温かいものが私の身体の中を流れた。
何んとかお礼がしたいと、時々乗る用賀一丁目から恵比寿駅まで行くたび、それらしい男の子は乗っていないだろうかと、気にかけてはいるのだが、お礼がしたいと思いつつ今日まできてしまった。あの優しい気持ちを持って立派な大人になってほしいと願う。
年老いた老人の思い青年に届きますように。




