今週の風の詩
第4016号 おひとり鍋(2026.2.1)
おひとり鍋
赤澤亮
おひとり鍋
すきな物を入れて、
すきな味をつけにできる。
床に手を置きながら、
茶碗を不細工にもっても
横から口うるさい小言は聞こえない。
湯気を見ると、
あの頃がよみがえる。
キムチ、七味は入れるな、
白菜も食べろ、シイタケを避けるな。
手は机にちゃんと置きなさい、肘をかけちゃだめだよ。
やかましいようで、
それも大事な鍋の具材だった。
スーパーに行っても、それはない。
今日もおひとり鍋。
静かな部屋でひとり、その味を感じながら。




