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今週の風の詩

第4029号 母への恋文(2026.5.3)

母への恋文
たかたん(ペンネーム)

よく母が人前で言ってくれた、自慢の息子です、と。
人より取り柄があるわけでもなく、勉強ができたわけでもない、運動会のマラソンではいつもビリに近かったが、「いつでも最後まで投げ出さずに、途中で諦めずにゴールを必死に、真剣に目指していた」と、誰もが見ないところを自分のことのように見守ってくれていた。
帰省した後に1人東京へ向かうときには、駅のホームでいつまでも手を振って見送ってくれていた、白内障でぼんやりしか見えないはずの眼で。
自慢の息子です、本当にそれに値するのか、何度も自答しながらも、母が胸を張って、自慢の息子です、と言えるように、まじめに誠実に生きようと思っていた。
今ではもう「自慢の息子です」と言ってくれる母はいない、10年前に亡くなった。最後の最後まで看取ったことがせめてもの償いであった。
それでもこれからも、母の年齢へ近づき追い越そうとしていくけど、自慢の息子であり続けるように、母の思いを大切にしてこれから死ぬまで生きていきたい。
本当に本当に母に会いたい、母に会って、精一杯良い子のように立ち振る舞って「自慢の息子」と言ってもらって喜ぶ母の笑顔をもう一度見たい。

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