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今週の風の詩

第4025号 春の訪れ(2026.4.5)

春の訪れ

フォトグラファーD(ペンネーム)


春が来ると、庭がにぎやかになる。雀やムクドリが水入れにやってきて、小さな嘴で水を飲む姿は、まるで自然の小さな贈り物だ。朝、窓を開けると、彼らの軽やかな羽音やさえずりが耳に飛び込んでくる。冬の間は静かだった庭が、こうして命で満ちていくのを見ると、心までが少しずつ解けていくような気がする。

時々、塀の上をネコが歩いているのも見かける。しなやかな足取りで、春の陽気を楽しんでいるようだ。陽だまりを見つけては丸くなり、目を細めて眠るその姿に、私まで穏やかな気持ちになる。ネコにとって春は、暖かさの中でまどろむための季節なのかもしれない。そんなことを考えながら、私はコーヒーを手に庭を眺める。

春の訪れは、目に見える変化だけではない。朝露に濡れた草葉が陽光に輝き、土の下から新しい芽が顔を出す。その静かな力が、長い冬の終わりを教えてくれる。桜のつぼみが膨らみ始めると、歩道橋に花びらが舞い、空が淡いピンクに染まる瞬間がやってくる。あの色を見ると、毎年なぜか胸がぎゅっと締め付けられるような、懐かしい気持ちになる。

庭に響く雀の羽音やムクドリの歌、ネコの静かな足音。それらが混ざり合って、春らしいハーモニーを奏でる。この小さな世界の中で、命が動き、息づいているのを感じるたび、私もその一部なんだと実感する。春は派手な登場をしない。静かに、けれど確かにやってきて、心に温かな希望を灯してくれる。

今日も庭を眺めながら思う。春の訪れは、こんな日常の中で感じるものだ。雀が水を飲み、ネコが塀を渡り、桜が咲く。このささやかな幸せが、季節の贈り物なのだろう。

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