今週の風の詩
第4037号 甘いルーティーン(2026.6.28)
甘いルーティーン
ミチコ(ペンネーム)
あ、三時だ
昼下がりになると少し仕事の手を止める
ポットに茶葉を入れ、お湯を注ぐ
しばらくすると室内にレモングラスの香りが漂う
少し待ってカップに注ぐと
ふわっと湯気が立ち上る
頭の中にあったぐるぐるとしたものが湯気に溶けていく
身体がほっと緩む時間。
用意したクッキーを頬張ると
父のことを思い出す
いつも休みの日、10時と3時。
父は必ず「そろそろお茶にしよう」と言って
私と母と三人でコーヒーを飲んだ
コーヒーが苦くて飲めない私に
母はいつも紅茶を用意してくれた
今、父はいない
まだまだお茶、一緒に飲みたかったな。
コーヒーももう、飲めるようになったのにな。
父は私に甘い習慣を残して
あっという間にいってしまった。
お茶を飲むたび
幸せな香りと湯気に包まれまがら
私は父の笑顔を、思い出すのです。




