今週の風の詩
第4045号 給食の思い出(2026.8.23)
給食の思い出
匿名
娘が小学生になって、しばらく新しい生活になかなか慣れず、戸惑うことも多かった。その緊張をほぐしてくれたのが、給食だ。
毎朝、登校前に献立表をチェックする。大好きなカレーライスのときは「やったー!」と機嫌がいい。その姿を見て、私も給食が楽しみだったな、と思い出した。
子供のころ通っていた小学校は、学校内に給食室があった。お昼が近づくと学校中にいいにおいが漂い、休み時間に給食室の窓から調理の様子を見ていた。そんな給食の中でも、一番印象に残っているのが「山桃ゼリー」。年に一度しか食べられない、たぶん母校だけの特別なデザートだった。
山桃は暖かい地域で育ち、街路樹としてよく植えられる。学校の敷地にもあって、夏になると赤くて甘酸っぱい実をたくさんつけた。それを先生、生徒総出で収穫する。木登りが得意な子が上から実を落としてくれると、下にいる子の頭にボロボロと山桃の雨が降った。
そして大量の山桃を給食室まで届けると、全校生徒分のゼリーを作ってもらえるのだ。うすいピンクの透き通ったゼリーの上に、山桃ジャムがのっていて、独特のいい香りと甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。自然がくれる夏の味だった。
いまでも時々食べたくなるけれど、卒業以来目にする機会はない。山桃は日持ちがしないので、産地以外にはあまり出回らないらしく、ただかすかに残る舌の記憶を懐かしんでいる。きっとあのおいしさには、みんなでわいわい騒ぎながら収穫して、一緒に食べたうれしさも含まれていたのだろう。もう再現できない、幻の味だ。
子供のころの味覚の思い出は、大人になっても残る宝物かもしれない。給食の献立表には、私の知らないメニューが時々出てくる。どんな味なの、ときくと娘は楽しそうに話してくれる。だんだん学校にも慣れてきた様子で、ほっとしている。給食のありがたさが身に染みている日々だ。
毎朝、登校前に献立表をチェックする。大好きなカレーライスのときは「やったー!」と機嫌がいい。その姿を見て、私も給食が楽しみだったな、と思い出した。
子供のころ通っていた小学校は、学校内に給食室があった。お昼が近づくと学校中にいいにおいが漂い、休み時間に給食室の窓から調理の様子を見ていた。そんな給食の中でも、一番印象に残っているのが「山桃ゼリー」。年に一度しか食べられない、たぶん母校だけの特別なデザートだった。
山桃は暖かい地域で育ち、街路樹としてよく植えられる。学校の敷地にもあって、夏になると赤くて甘酸っぱい実をたくさんつけた。それを先生、生徒総出で収穫する。木登りが得意な子が上から実を落としてくれると、下にいる子の頭にボロボロと山桃の雨が降った。
そして大量の山桃を給食室まで届けると、全校生徒分のゼリーを作ってもらえるのだ。うすいピンクの透き通ったゼリーの上に、山桃ジャムがのっていて、独特のいい香りと甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。自然がくれる夏の味だった。
いまでも時々食べたくなるけれど、卒業以来目にする機会はない。山桃は日持ちがしないので、産地以外にはあまり出回らないらしく、ただかすかに残る舌の記憶を懐かしんでいる。きっとあのおいしさには、みんなでわいわい騒ぎながら収穫して、一緒に食べたうれしさも含まれていたのだろう。もう再現できない、幻の味だ。
子供のころの味覚の思い出は、大人になっても残る宝物かもしれない。給食の献立表には、私の知らないメニューが時々出てくる。どんな味なの、ときくと娘は楽しそうに話してくれる。だんだん学校にも慣れてきた様子で、ほっとしている。給食のありがたさが身に染みている日々だ。




