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今週の風の詩(2023年~)

第4050号 ペンフレンド(2026.9.27)

ペンフレンド
川の隣の猫(ペンネーム)

東京の女子大に入学してすぐの頃、教室の掲示板に「国連で働く」という貼り紙がしてありました。そこには、英語の他にもう一つ言葉ができないとだめだと書いてありました。短気な私は、それならフランス語を現地で勉強しようと思い立ち、塾と家庭教師のアルバイトで1ヶ月分の滞在費と語学学校の資金を貯め、初めての海外パリへ出発しました。
 語学学校ではすぐにスイス人の男の子と友だちになったものの、イギリスから美人の子がやってくるとその子の取り巻きとなってしまいました。暫く親しい知り合いもできず学校と家の往復の日々でしたが、ある日ドイツ人の女子大学生が新しく入ってきました。休み時間になるとクラスメイトはお喋りをしに教室の外へ出てしまうのですが、その子はとても内気で教室に座ったまま。気が合うかもしれないと話しかけてみました。
 それから30年、彼女から帰国後に手紙を受け取って以来途切れることなくやり取りが続いています。パリで一緒に過ごした時間は1週間足らずだったのに、誕生日とクリスマスのたびに互いの近況を知らせ合い、手紙の量は一箱に収まらないほどになりました。お互い子供が二人できて、職業人として頑張っています。二人の違いは、彼女は大学を出てからずっと弁護士ですが、私は色々な職業を転々としていること。私が筆無精で書かないことがあっても、彼女は必ず送ってくること。
 インターネットが流行り出したころ、E メールのやり取りを提案したことがあります。彼女からは、「古いやり方かもしれないが直筆の手紙交換を続けたい」と返事が返ってきました。その時の彼女の賢明さのおかげで、素敵な歴史を紡いでこられたのだなとしみじみする秋の夜長です。

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