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今週の風の詩

第3896号 リレー(2023.10.15)

リレー
                          ハピリー(ペンネーム)

 突然の歓声に驚いてベランダに出た。わが家のベランダ
からは隣りの学校のグランドが見渡せる。今日は体育祭だ
ったらしく、色とりどりゼッケンがグランドをぐるりと囲
んでいた。一際大きな歓声はリレー競技の応援の声だった。
リレーのバトンが次々と渡され、走者がコーナーを曲がる
度に歓声と悲鳴が大きくなる。リレーはいつだって華のあ
る種目だ。急に学生時代を思い出した。私は徒競走が苦手
だった。それでも全競技の最後の種目「リレー」は大好き
だった。もちろん応援側ではあるけれど。いつも声の限り
応援し、手を叩き、最後は涙を流して喜んだり悔しがった
りした。今日、グランドを疾走する子達を見ながら、ふい
に私も走りたくなった。いきなり全力疾走は無理だろう。
まずは明日から家の周りを早足で歩いてみようかな。
歓声の余韻に浸りながらそんな事を考えていた。


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