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今週の風の詩

第3908号 白鳥の湖(2024.1.7)

白鳥の湖
匿名

 冬にとある地方を訪れた際、車の中から初めて見る大きな鳥3羽が上空を飛ぶ姿が見えた。聞くと、白鳥だと言う。白鳥が越冬の為“渡り鳥”をしているのはニュース等で知っていたが、生まれて初めて見る“飛んでいる白鳥”の姿は大きくてなかなか迫力があり、圧巻だった。東京から来た私ら2人がその姿にいたく感動していると、白鳥が飛来している湖に連れて行ってもらえることになった。
 到着してみると、100羽か?いや200羽か?もっといただろうか?沢山の白鳥を初めていっぺんに見た。よく見ると、湖の奥の方には氷が張っていて、その上を美しく2本の足で立っている白鳥の姿も見える。鳴き声は甲高く中々けたたましい。お世辞にも美しい鳥の鳴き声とはいえない。
 近くに売っていたのか、パンの耳1袋をいただき、白鳥を目がけて与えようとする。すると、すぐさま鴨に横取りされる白鳥は案外どん臭いことを知る。何度投げてみても同じ(笑)。
また、何が気に入らないのか、白鳥の中には別の白鳥を突くものがいる(と言っても大した攻撃ではなく、何となく怒っている様子で突くだけ。)理由はよくわからない。
 私はここでふと自分の一番好きなクラシック音楽はチャイコフスキーの「白鳥の湖」であることを思い出した。その出だしの美しい音色が特にお気に入りだ。その音色は誰もいない冬の澄み切った空気の中で朝露に佇む美しい姫と王子の恋物語が繰り広げられていたはずだ。ところが、私の目の前では、食パンの耳を鴨に横取りされたり、仲間の白鳥を無暗に突く姿がある。そのギャップに一人ニヤリと笑ってしまったのであった。

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