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今週の風の詩

第3909号 産後5ヵ月(2024.1.14)

産後5ヵ月
さと子(ペンネーム)

♪げんこつ山のたぬきさん、おっぱい飲んでねんねして。抱っこしておんぶしてまた明日。
現在産後5ヶ月目でまさに「げんこつやまのたぬきさん」の歌のような生活を送っている。
授乳させて、げっぷさせて、遊んで、寝ぐずりし始めたら抱っこして歩き回るなどして寝かしつけて。
切れ目なく同じことの繰り返しで慢性的な肩こり腰痛筋肉痛。産後の不調で冷え性貧血虚弱気味。加えて、つわりで内定辞退してしまったため社会復帰の帰るところがなく、産後のホルモンバランスの乱高下もあって心細く涙もろくなることも。そんな中でも癒やされるのが娘の笑顔、夫の手料理。そして街の人の言葉かけや表情に励まされている。

まずは娘の可愛さについて。娘は誰がなんと言おうと破茶滅茶に可愛い。目に入れても痛くないし、存在そのものの尊さが光を放っている。疲れってほんとに吹っ飛ぶんですね。笑顔を向けられると私の脳内が快楽物質で満たされるのがわかる。抱っこ紐で外向きに抱っこしてその上にコートを着て、カンガルーのような、二人羽織のような出で立ちで出かけていると道行く人がにこにこ笑顔を見せてくれる。声をかけてくれることもある。「可愛いねぇ。」「ありがとうございます。」

そして夫の手料理。レシピに忠実に丁寧に作ってくれる。土付きの泥ごぼうをささがきにして作ってくれる牛ごぼう。具沢山の豚汁。ミートソースやホワイトソースも一から手作りのラザニア。食べたらあまりの美味しさに涙が出た生姜焼き。消化にいい優しい味わいが嬉しいしみしみの鶏大根。地域の子育てイベントで自己紹介を記入することがあり、好きな食べものの欄に迷いなく「夫の手料理」と書いた。

まだ始まったばかりの育児だが、ときに心折れそうになることもある。抱っこした状態の長い階段や気付くと両手いっぱいの重い荷物。自然と猫背になりやすく、かがんだ体勢で下を向きがちに。でも、そんな時こそ娘のきらめく笑顔と夫の美味しい手料理の美味しさを心に描くようにしている。辛いと感じる回数の分、心に焼き付いた笑顔と美味しさを呼び起こす。そして、ふと顔をあげると、出産前には見たことなかったような、目尻が下がった街の人のにこにこ顔。


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