今週の風の詩
第3918号 32年ぶりの同窓会(2024.03.17)
50歳の節目の機に、卒業以来初めての高校の同窓会が開かれた。
18歳で卒業し、まさに32年ぶりの友たちとの再会。進学、就職、結婚、子育てを経ての社会復帰と、慌ただしい日々を過ごしていた私は、8回もの引っ越しや夫の転勤、メールアドレスの変更を繰り返すうち、同窓生との連絡が途絶えてしまっていた。
32年は、「久しぶり!」と簡単に言えないほどの時の重み。そもそも私を覚えてくれている友達なんているんだろうか。不安とドキドキを抱え、地方に住む私は早朝から新幹線に乗り、会場のホテルへ 向かった。
会場に着くと「○○さん!」と声をかけてくれたのは、1年生の時のクラスメイト。そこからは怒涛の握手と抱擁、弾ける笑顔あり、涙あり。確かにみんな、30年を経て外側に変化はある!体重が二倍になったという男子、黒髪が流行のグレーヘアになった女子、髪そのものが少なくなった友もいるし、目尻や額に刻まれたシワや頬に浮かぶシミは、積んできた経験の証。それでも変わらないのは目の輝きと声、誰もが持つ「その人らしさ」だった。
ここでは気取る必要もなければ、無駄な社交辞令や挨拶も必要ない!何よりみんな、優しくなった。当時は思春期真っ只中、強烈な自我を持て余しながら思いきり突っ張って、斜に構えていたティーンエイジャーも、カドが取れ、まあるくなった。その優しさが、心地良い。
全学年の半分、90名ほどが集った同窓会はなんと4次会まであった。新幹線の時間があったので私は二次会で帰ったが、あの1日は私にとって、忘れられない時となった。多くの友とライン交換をし、写真を撮って近いうちの再会を誓った。